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第162回オープン例会レポート |
6月16日(月)23:17 | トラックバック(0) | 掲示板 | 管理
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1: D&D v.3.5 「荒野の竜」(2)
| | | こんばんは。クインです。
ドラゴンランス戦記キャンペーン、無事に終わりました。 参加してくださったプレイヤーの皆様、会場やフィギュアなど運営面で協力してくださったTAISH◎さま、鵬さま、どうもありがとうございました!
◆参加したPCの皆様
☆アルフさまへ(秩序にして善、人間(文明の民)のクレリック(ミシャカル)8)
癒しの女神ミシャカルの僧侶。ソレースの雑貨屋の息子。 最終決戦で、機会攻撃を移動でくらってから、呪文を唱えるという行動が光っていました。ブレス呪文、プレイヤー呪文をうまく活用していたかと思います。 最終決戦後は、エーベンとナターシャの結婚式を司式し、ドワーフたちにも<まことの神々>の信仰を広めることに成功しました。これから、さらに信仰を広めていくのでしょう。
☆イグナーツ・ブラントさまへ(秩序にして善、人間(文明の民)の防御術士5/ウィザード・オヴ・ハイ・ソーサリィ3)
防御術に長けた白ローブの魔術師。 最終決戦でのディスペル・マジックですね。待機アクションで、ドラゴン卿のディヴァイン・パワー呪文を相殺していました。あれがなければ、接近戦でもっとドラゴン卿が暴れて、ナイトブリンガーの被害者が増えていたはず。 熱烈なアプローチをしていた(ふりをしていた)ローラナ姫には、事前にお断りの言葉を用意されていたそうで。最終決戦後は、<上位魔法の塔>にもどって、昔の彼女(赤ローブの魔術師)と結婚しました。 謹んで皆勤賞を進呈します。
☆ザイードさまへ(秩序にして中立、人間(文明の民)のファイター8)
シミター使いの傭兵 最終決戦では、<カーラスの槌>でファイアーシャドー(ドラゴン卿が呼びだした“アンデッド精霊的なもの”)と戦っていました。ディスラプト・アンデッドが決まっていれば、絵になっていたのですが(アンデッドは意志セーブが高いのです)。 最終決戦後は傭兵稼業を続けているのでしょうか。 DMが夕食時にいただいた様々な示唆は、次のシナリオ、キャンペーンに生かしたいと思います。ありがとうございました。
☆シモン・ベルモンドさまへ(秩序にして善、人間(文明の民)のファイター8)
スパイクト・チェイン使いの戦士。 最終決戦では、大型化したうえで、《大旋風》+《足払い強化》でオーガーたちを次々と転倒させて、無力化していました。これでドラゴン卿への突破口を開いたのです。 DMは“鉄鎖”との鎖対決をひそかに期待していたのですが、残念ながら、実現できず。 最終決戦後は、《薙ぎ払い》や《薙ぎ払い強化》の訓練をし、鎖使いとして鍛錬を積んでいるでしょう。
☆シルエルさまへ(混沌にして中立、シルヴァネスティ・エルフのレンジャー8)
竜やゴブリン類を得意な敵とする野伏。 赤竜戦では、竜殺しの矢でエンバーにダメージを与えていました。最終決戦でも、ドラゴン卿を倒したのは、シルエルの束ね射ち。遠隔攻撃だけでなく、ロングソードで“鉄鎖”にクリティカル攻撃するなど接近戦でも活躍していました。 このキャンペーンでのシルエルの活躍により、アーチャーへの認識が大きく変わったDMでした。 最終決戦後は、竜やホブゴブリンをもっと倒すために旅立ったのでしょうか。それとも故郷に戻り、緑竜と対決したのでしょうか。
☆タニスさまへ(中立にして善、ハーフエルフのファイター8)
一行の悩めるリーダー。原作キャラクターです。 最終決戦では、長弓のクリティカル射撃で“鉄鎖”を討ち取り、イグナーツの危機を救っていました。 序盤の女神ミシャカルの試練、最終決戦後の“鉄弓”の処遇、そしてキティアラとローラナとの三角関係──今回はタニスにとにかく悩み、選択してもらうセッションでした。 (もしタニスが別の選択をしたらどうなっていたかは、後述します) キティアラとローラナの双方に迫られて、結局はどちらも選択しないで現状維持を続けることを選びました。選択の是非はともかく、実に原作のタニスに忠実なロールプレイでした。 最終決戦後は、原作通りにケンダーの(当てにならない)地図を頼りに、麗しのタルシスに旅立つのでしょうか。
☆ブランクさまへ(中立にして善、人間(文明の民)のローグ8)
ソレース出身の盗賊。 赤竜戦では、レイピアの急所攻撃で見事にエンバーを討ち取りました。ドラゴンスレイヤーの称号を進呈します。 最終決戦では、シモンと連携してうまくドラゴン卿を包囲していました。ナイトブリンガーをくらって盲目状態となってしまいましたが、ドラゴン卿死亡後はナイトブリンガーを入手していました。 最終決戦後は、何をしているのでしょうか。タニスと一緒に旅立つか、新婚のエーベンと傭兵団をつくっているあたりでしょうか。 謹んで皆勤賞を進呈します。ぜひ原作を読んで、ご自分の冒険と比べてみてください!
☆フリント・ファイアーフォージさまへ(中立にして善、ヒル・ドワーフのファイター6/マスター2)
丘ドワーフの戦士にして細工師。原作キャラクターです。 何といっても、エーベンに自作の指輪を贈り、フラグを立てたのが、お見事です。あれがなければ、エーベンは最終決戦時にドラゴン卿側で動いていました。自作の指輪というのも、細工師のフリントらしくて、嬉しい限り。 最終決戦では、《薙ぎ払い》でオーガーを蹴散らしていました。さすが巨人に強いドワーフです。特殊部隊の登場を先読みして、位置取りをうまく考えていのもお見事。 最終決戦後は、ドワーフ地下王国トルバルディンの領主会議の一席を占め、領主ホーンフェルの上王即位を承認しました。領主会議で難民の庇護に力を尽くしているでしょう。
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| by クイン | 6月22日(日)02:15
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2: D&D v.3.5 「荒野の竜」(2)
| | | ◆主なNPC
PCたちが遭遇した主なNPCを登場順にまとめました。 ストーリーを思い出す手がかりになれば、幸いです。
☆女神ミシャカル(中立にして善、治癒、慈悲、豊饒、美をつかさどる上級神格)
タニスの夢に現れた女神。 瀕死状態の赤竜エンバーをどう対処するか、試練を与えた。 ワームスレイヤーで止めをさしたタニスの選択にたいして祝福を与え、魔剣を聖なる青光を放つホーリィ・ワームスレイヤーにした。
☆エンバー(パイロス)(混沌にして悪、巨大サイズのレッド・ドラゴン)
夜明けに再襲撃してきた赤竜。 シルエルが早めに〈視認〉して仲間に警告したおかげで、アルフとイグナーツの呪文による入念な準備のもとに迎え撃つことができた。 ザイードの曲刀、シモンの鎖、タニスの聖剣、シルエルの竜殺しの矢、フリントの戦斧の攻撃を次々と受けた赤竜は、ブランクの細剣で急所をつかれて息絶える。
☆エーベン・シャッターストーン(混沌にして中立、人間(文明の民)のノーブル1/ファイター8)
ゲイトウェイ出身の戦士。実はドラゴン卿のスパイであった。 だが、冒険者たちの説得を受けて、指揮下の5人の傭兵(ウォリアー6)ごと寝返る。かれを動かしたのは、フリントから自作の指輪を贈られた思い出だった。 最終決戦の後、アルフの司式で、ニンフの恋人ナターシャと結婚式を挙げる。
☆ドラゴン卿ヴェルミナァルド(秩序にして悪、人間(文明の民)のクレリック8/ファイター2/ドラゴン・ハイロード2)
赤竜軍司令官を務めるドラゴン卿。 黒ドワーフの手引きで潜入し、<カーラスの槌>を入手して、地下王国の支配を確立しようとたくらむ。 アンホーリィ・ブライト呪文で冒険者たちを不調状態にしたり、魔法の槌矛ナイトブリンガーでブランクを盲目状態にしたりと奮闘するものの、シルエルの束ね射ちで倒れる。
☆レルガー・アイアンフェイス(秩序にして悪、ダーク・ドワーフのノーブル2/ウィザード6)
黒ドワーフの領主。 ドラゴン卿が<カーラスの槌>を入手した後、傀儡の王に立てる予定であった。 <カーラスの槌>をめぐって、ランスと仲間割れをし、相打ちになる。
☆ランス・コールマウント(秩序にして悪、ダーク・ドワーフのノーブル5/ファイター3)
黒ドワーフの領主。 ドラゴン軍にひそかに協力していたものの、自分こそが王となるべく<カーラスの槌>をわがものにしようとする。 レルガーと相打ちになる。
☆“鉄剣”ディヴィド・クラウンガード(秩序にして悪、人間(文明の民)のファイター6)
ドラゴン卿直属の特殊部隊隊長代理。 “鉄拳”ガラング隊長の仇をうつべく、“鉄鎖”と“鉄弓”、精鋭ホブゴブリン(ウォリアー4)10体とともに冒険者たちの背後から攻撃をしかける。大型化したうえで、特殊部隊の名を騙ったイグナーツに接近して、大剣の一撃をあびせるものの、一歩及ばず、討ち取られた。
☆“鉄鎖”アイナ・クラウンガード(中立にして悪、人間(文明の民)のファイター6)
特殊部隊所属の鎖使い。 ディヴィドの妹で、口癖は「お兄様の夢のために!」。 大型化したうえで、イグナーツに接近し、スパイクト・チェインの間合い20フィートにおさめる。だが、タニスのクリティカル射撃を受けて、隊長の仇を取れずに倒れた。
☆“鉄弓”テリー・サンダース(中立にして悪→真なる中立、人間(文明の民)のファイター6)
特殊部隊所属の長弓使い。 “部隊つぶしの死神”と呼ばれ、所属した部隊は三度目の出撃でかれを残して全滅するというジンクスを持つ。今回は特殊部隊の三度目の出撃──ジンクスを破ることを目指すが、冒険者たちにより特殊部隊は壊滅した。 再びタニスに助命されたかれは、改心してタニスの部下となる。出撃を禁じられ、粉を挽く毎日を送っている。
☆ローラナ(ローラランサラサ・カナン)(混沌にして善、クォリネスティ・エルフのノーブル8)
クォリネスティ・エルフの王女。 <太陽の評議長>ソロスタランがクローヴァとの約束を果たすために派遣した遊撃隊10名(レンジャー6)を率いて、特殊部隊の後背に現れる。 最終決戦の後、タニスの気を引くために、イグナーツに関心のある振り(熱烈なラブレターを送るなど)をしていたことが明らかになった。なんと、姫様は〈はったり〉が+16もあるのだ。
☆ヴァレリウス(混沌にして善、クォリネスティ・エルフのレンジャー3/占術士3)
クォリネスティ・エルフの王子ギルサナスの側近。遊撃隊の参謀。 本人の弁によれば「恋の三角関係を楽しく見物するため」に遊撃隊に同行したらしい……。 白ローブの魔術師を目指している。
☆キティアラ・ウス=マタール(青き鎧の戦士)(悪?、人間(文明の民)のファイター?)
ドラゴン卿にして青竜軍司令官。 最終決戦の後、テレポートして現れる。タニスをドラゴン軍に勧誘し、世界の王と女王となろうと持ちかける。「ドラゴン軍を脱退して、<憩いの我が家>亭の仲間のところに戻ってこないか」というタニスの説得に対して、「タニスが自分の手でローラナを殺したら、応じる」と返答した。 キティアラとローラナ──ふたりの女性がタニスをめぐり、火花を散らすなか、タニスが選択したのは“選択しない”(アルフ氏談)ことだった。
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| by クイン | 6月22日(日)02:18
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3: D&D v.3.5 「荒野の竜」(2)
| | | ◆悩めるタニスの選択
このセッションでは、タニスは何度か選択を迫られました。もし別の選択をしていたら、どうなっていたか、選択の意味やDMの意図をまとめます。
(1)女神ミシャカルの試練
☆状況
夢を見ているタニス。タニスの前に女神ミシャカルが出現した。タニスは右手にワームスレイヤーを、左手に青水晶の杖を持っている。 次に、赤竜エンバーが出現する。瀕死状態で「助けてくれ、助けたら改心する」とうめいている。 タニスはイグナーツから教えられて、赤竜は“常に混沌にして悪”であることを知っている。さらに、アルフからミシャカルは治癒、慈悲、豊饒、美をつかさどる女神であることも教えられている。 女神は姿をローラナに変え、キティアラに変えるのを繰り返しながら、「汝の選択を示せ」と云う。
☆選択1 ワームスレイヤーで赤竜に止めをさす。
・ワームスレイヤーがミシャカルの加護により青い光を放つ (ワームスレイヤーにホーリィ属性がつき、悪属性に対して2d6追加ダメージ。ディテクトマジック呪文では中程度の召喚術と占術のほかに力術も感じるようになる) ・「汝の選択はわかりました。汝と同じように、闇と光の間で選択に苦悩せし者を光のもとに導きなさい」と女神が述べる。
☆選択2 青水晶の杖で赤竜を治癒する。
・回復したレッドドラゴンが炎のブレスを吐き、タニスは黒焦げになる。 (タニスに炎への脆弱性がつく)。 ・「汝の選択はわかりました。汝と同じように、闇と光の間で選択に苦悩せし者を光のもとに導きなさい」と女神が述べる。 ・目覚めると、青い光を放つ杖をタニスは握っている。 (ワンド・オヴ・キュア・クリティカル・ウーンズ、術者レベル20)
☆選択3 ワームスレイヤーで女神を攻撃する。
・剣の一撃で女神の首が飛ぶ。だが、飛んだ首がしゃべる。 ・「汝は善なるものと戦いたいようですね。私は慈悲の神、汝の選択を支援しましょう」と女神の首は語る。 (ワームスレイヤーにアンホーリィ属性がつき、善属性に対して2d6追加ダメージ。ディテクトマジック呪文では中程度の召喚術と占術のほかに力術も感じるようになる。タニスの属性は“中立にして善”から“真なる中立”に変化する)
☆選択4 制限時間を過ぎても、選択しない。
・瀕死状態のはずのレッド・ドラゴンが不意に立ちあがり、炎のブレスを吐き、タニスは黒焦げになる。 (タニスに炎への脆弱性がつく)。 ・「人の生は選択なり。失敗を恐れることよりも選択しないことを恐れなさい。大胆な選択をするものにこそ、女神の恩寵はあります」と女神が語る。 ・目覚めると、青い光を放つ杖をタニスは握っている。 (ただのワンド・オヴ・キュア・ライト・ウーンズ、術者レベル1)
※たいていは選択1~4におさまると予想していました。これ以外の選択をした場合は、1~4をもとにアドリブで処理するつもりでした。
☆DMの意図
・アイテムを渡して、最終決戦にむけてパーティーを強化する。 ・女神から情報を渡す。 ・最終決戦後の、キティアラとローラナとの選択の伏線を張る。 ・「廃都の黒竜」でのドラコニアン捕虜の件の再現。
選択4で女神が語るのがDMの本音です。タニスがどんな選択をするのかを、当日の朝、とても楽しみにしていました。 もともとはDMが東京にいたときのキャンペーンで、パラディンのプレイヤーをしていたときに出された試練をアレンジしたものです。
(2)“鉄弓”の処遇
これはシナリオ準備段階から予定されていたものではありません。当日の戦闘の結果から生まれたものです。しかし、特殊部隊3名のうち、かれだけが本当に生き残るとは──命名とは恐ろしい。
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| by クイン | 6月22日(日)02:26
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4: D&D v.3.5 「荒野の竜」(2)
| | | (3)恋の三角関係
☆状況
最終決戦でドラゴン卿ヴェルミナァルドを討ち取り、意気あがる冒険者たちのもとに、青き鎧の戦士がテレポートして現れる。「タニス、久しぶりだね……」と云いながら、戦士が竜のかたちの兜を脱ぐと、タニスの恋人キティアラの姿が! キティアラはエルフの王女ローラナをにらみつけた後、タニスに向き直る。 「どうだい、タニス。わたしと組まないか。ヴェルミナァルド殺害の件は、わたしからアリアカス卿にうまくとりなしてやる。なんなら、タニス、次の赤きドラゴン卿にしてやろうか」とタニスをドラゴン軍に勧誘する。 「ふたりで世界を征服しよう。そのためにおまえを蘇生させたのだから。タニス、おまえが王、わたしが女王だ。そこのエルフの小娘よりわたしを選ばないか」と云って、タニスに選択を迫る。 ローラナはキティアラをにらみ返した後、「タニス、こんな女のいうことに耳を貸す必要はありません。この女は邪悪なたくらみのために、タニス、あなたを利用しようとしているだけです。信じてはいけません」と反撃する。 キティアラは「あたしの言葉を信じるかどうかは、タニス、おまえの自由だ。好きにすればいい」と返す。 ローラナは「タニス、ごめんなさい。あなたがわたしのほうを振り向いてくれないから、わたしはあなたの気を引こうと、他のひとに関心のあるふりをしていたの。でも、わたしが本当に好きなのは、本当に好きなのは……タニス、あなたよ!」と衝撃の告白を行う。
以上のような状況で、タニスはキティアラとローラナの間で選択を迫られます。
※実際のセッションでは、シモンがローラナを捕まえて動きを抑えるという実に面白いプレイをしてくれました。
☆選択1 キティアラを選ぶ。
数年後、<暗黒の女王>の司祭のもとでふたりは結婚式兼戴冠式を挙げる。タニスとキティアラはアンサロン大陸全土を統べる王と女王となったのだ。そして、ふたりは青竜に騎乗し、いよいよ他の大陸への侵攻に乗り出す……。
☆選択2 ローラナを選ぶ。
アルフの司式で豊饒をつかさどる女神ミシャカルの祝福を受け、タニスとローラナは結婚式をあげる(ドラゴンランス戦記2巻、295-297頁の結婚式のように)。そして、ふたりは南に旅立つ……。
☆選択3 両方を選ぶ。
この選択はDMを納得させるだけのロールプレイが必要です。どんなプレイかは事前に決めていませんでした。そんなプレイ、DMが知りたい。
3-1 DMを納得させるロールプレイをした。
タニスはキティアラとローラナのふたりをくどきました。身も心もタニスのもの。ドラゴン軍撃滅でも世界征服でも、タニスの云うことならば、なんでも聞くでしょう。タニスの毒牙の犠牲となる女性が、このふたりだけですめばよいのですが……。
3-2 DMを納得させるロールプレイをしなかった。
タニスはローラナから「最低!」と左頬に、キティアラから「半人間のクズ!」と右頬に、同時に平手打ちをくらいます。ローラナもキティアラも、タニスのもとを去ってしまいました……。
※実際のセッションでは、タニスは結局、どちらも選ばなかったんですよね。キティアラに対してはドラゴン軍を脱退するように説得開始。ですが、キティアラがローラナを殺すことを条件に出し、タニスは拒否したので、説得は失敗。他方で、ローラナの結婚しようという申し出にはタニスは応じませんでした。でも、ローラナ、キティアラの双方に未練を残している様子……。
※この結果は、DMの予想外。でも、原作のタニスならば、確かに悩んだあげく、どちらも選ばないですよね。タニスのプレイヤーさまにやられました。まったくタニスらしい選択でした。
☆DMの意図
「希望の竜」の開始あたりから、キャンペーンの最終決戦でローラナの遊撃隊と特殊部隊の生き残りを出して、大乱戦をやることを決めていました(これが冒険者側とドラゴン軍合わせて80体のフィギュア、実時間5時間の無茶な最終決戦につながります)。ローラナを出すからには、キティアラも出したい。これはアニメ版(「城砦の赤竜」まで)がキティアラ登場のシーンで終わっていたことに影響されたのもしれません。 ただし、「荒野の竜」の前半でパーティーが壊滅したので、予定より早くキティアラを出すことになりました。イグナーツとローラナの関係もはっきりさせたいところです。 ローラナは善を、キティアラは悪を象徴していて、タニスがこのふたりの間で悩み迷うのは、この物語の構造の中心だ、みたいなことを原作者のトレイシー・ヒックマン氏が小説の脚注で語っていました。これもシナリオを準備する際、ヒントになりました。
いろいろと考えて、上記のような状況をつくってみました。タニスはもちろんイグナーツがどう反応し選択するかを楽しみにしていました。 鵬さまには、ローラナの告白を“全編通してDMの最大のファインプレー”と評していただきました。頭をしぼって考えた甲斐があります。
◆初めてのキャンペーンを終えて
実のところ、クインはキャンペーンのマスターをやるのは初めてでした。D&Dに限らず、他のRPGでもキャンペーンのマスター経験はありません。 ドラゴンランス戦記のことも題名ぐらいしか知りませんでした。「タニス? フリント? 誰それ?」というレベルです。昨秋、このキャンペーンを始める直前に、原作小説を読み、アニメを見て、ドラゴンランスの物語に触れたのです。 今では、戦記、伝説、セカンド・ジェネレーション、夏の炎の竜まで原作を読み、アニメは20回ぐらい見て、登場人物のセリフを覚えてしまいました。ドラゴンランスの世界にどっぷりつかったのです。
キャンペーン経験なし、ドラゴンランス世界を知らない──そんなところから始めて、なんとか全9回のキャンペーンを終わらせることができました。これもプレイヤーの皆様のおかげです。 失敗は多々ありましたが、挑戦してよかったと思います。自分がプレイヤーとして、マスターとして何を理想としているのかがわかりました。また、マスターとして独りよがりになっていて、プレイヤーに自分の意図や状況が伝わっていないことも。
このキャンペーンの最中、将棋のプロ棋士、羽生善治名人のインタビューを読む機会がありました。 名人曰く、新しい手に挑戦すると、当然ながら失敗することが多く、勝率はさがる。堅実な手を指していたほうが当面の勝率は高い。だが、十年先には勝てなくなる。なぜならば、堅実な手ばかりを指していると、創造性が失われるからだ。 将棋と違い、RPGには勝ち負けはありません。ですが、学ぶことの多い言葉です。名人の言葉に勇気づけられました。
自分のマスタリングの長所は、haraさんが「廃都の黒竜」で評してくださったとおり、「分かりやすい説明、楽しいNPCのロールプレイ、PCの行動を細かく拾う」にあるのかなと考えています。周到に準備してこの長所を発揮できたときはセッションはうまくゆきましたし、逆に準備不足で長所を発揮できないときはセッションは失敗しました。この長所を生かしつつ、新しい挑戦を目指したいです。
しばらくプレイヤーとして、このマスター経験を生かしたプレイをしてみたいと思っています。また、D&D以外のRPGのマスターにも挑戦して、視野を広げたいとも考えています。 プレイヤーの皆様に改めて感謝を。 今後も素晴らしい冒険ができますように!
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| by クイン | 6月22日(日)08:31
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5: ありがとうございました
| | | 最近は「憩いの我が家亭」の名物、「オティックの揚げじゃが」が小腹がすいた時の定番になっているharaです。 元のレシピは油が多いので、やや少なめくらいが好みです。
遅くなりましたが、荒野の竜第2回にしてキャンペーン最終回。参加できてとても幸運でした。 DMを務めて下さったクインさん、PLの皆様、ありがとうございました。
■最終決戦~終盤
今回は対レッドドラゴンのリベンジ戦と、ドラゴン卿との最終決戦。最終決戦はTRPGでこれまで経験した最大規模の戦闘でした。 ドラゴン卿のスペルが痛い上に、特殊部隊は大型化して脅威倍増以上。 大型化スパイクド・チェーン使いの間合い20フィートが凶悪すぎます(泣)。 特殊部隊はイヤな奴らですが、憎み切れない個性的な性格が面白かったです。 今回もまた、優秀なスペルキャスターの先生方のありがたみをひしひしと感じました。
個人的には、ボス戦にしては珍しく出目に恵まれ(いつも1とか2、良くて6とかが出る) タニスの弓ファイターの特性も生かせて動けたので大満足です。 普段の火力は近接型ファイターやレンジャーに及ばないものの、ピンチに強いかも知れないと思いました。
ヴェルミナァルドは倒され、武器は回収したものの、死体は見つかっていませんが、果たして……。
その後の予想外の展開は予想外、(いい意味で)度肝を抜かれました。DMに完敗です。 まさかコワーイ女性2名にどちらか選べと選択を迫られるとは(笑)。 PCが悩む一方、PCの性格や行動原理を分析してどう動くか考えるのが好きなPLは、ひそかに楽しんでおりました。 最終回とはいえ、こんなおいしい役処でいいのでしょうか?DM?(笑)
■結婚式の話(※原作ネタバレ注意)
原作を知るPL間では、2巻目のように結婚式で終わらせようという共通の認識があったのではないかと思いますが、いかがでしょうか? その結果、エーベンは原作では一番悲惨な役処だったのが、こちらのキャンペーンでは一番幸運な役処に。 また、それを確実にしたのがフリントの指輪だという、フリントのファンとしては嬉しい結果。 違うメンバーでは、全く違う展開になっていたと思う箇所です。
今回の序盤のミシャカルの台詞から、DM側でもエーベンの結婚式を念頭に置いていたのではないかと考えていましたが、当初はタニスが候補だったとは(!)。 原作の最終回での選択は「試練を経て成長したローラナ」なので、あの時点ではまだ早すぎるのです♪
■キャンペーン全体を振り返って
ドラゴンランスは小~中学生にかけて熱中し、1、2を争う好きなファンタジー小説ですが オッサンだらけの集団だと思っていた憩いの我が家亭の冒険者たちよりも年をくってしまった今、同じ冒険を体験できるとは思ってもいませんでした。 本格的にPLをしたのは10年振りで、実際、10年後も記憶に残る楽しいセッションは限られているのですが、 こちらのキャンペーンは間違いなくそうした1つになるのではないかと思います。参加できて良かったです。
舞台になる背景世界やNPCの性格がシナリオやマスタリングにしっかり練りこまれ、実際にアンサロン大陸を旅しているような気分になれたのが楽しかったです。 キャンペーンのために小説を研究し、原作ファンを楽しませて下さったDMには頭が下がる思いです。
初心者PLを暖かく見守って下さったPLの皆様にも感謝いたします。 個性的で楽しいメンバーと会えなくなるのが名残惜しいです。 また、貴重なフィギュアを貸してくださった、影の功労者のTAISH◎さんにもお礼申し上げます。
■物語のその後
タルシスに旅立った一行のその後の冒険は、小説「氷壁の白竜」と、その元になったシナリオの"Dragons of Ice"で語られます(※D&D Classicsで現在復刊中)。 「廃都の黒竜」に参加した時からこの世界でDMをしたいと思い、現在、こちらの準備を進めています。 「ドラゴンランス秘史」の内容も盛り込みたいと思っていますので、実際に開始できるのは秋以降になりそうです。 個人的な趣味によりD&D4版、キャンペーンではなく一話完結方式での運営を予定していますが、もし興味を持たれましたらよろしくお願いいたします。
また赤の月と白の月、見えざる黒の月の下でお会いできることを祈って…。
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| by hara | 6月24日(火)20:38
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